令和5年3月13日の献立「豚肉と茄子、ピーマンの炒め物(韓国焼肉風)」
暇に飽かして5時間20kmの“散歩”をしたので、足が棒のようだ。こういう日には焼肉が食べたくなる。
しかし、家の冷蔵庫では長茄子が待っている。そろそろ消費してしまわなければならない。
ここは、いつもの豚茄子炒めを焼肉風にして手を打とう。家に一通りの調味料が揃っていると、こういうときに気分に合わせて工夫できてよい。
豚肉と茄子、ピーマンの炒め物(韓国焼肉風)
参考にしたのは、【なす×豚肉炒め】定番の美味しい味付け5選|炒め方のコツも解説 | ほほえみごはん-冷凍で食を豊かに-|ニチレイフーズの④のレシピ。ただ、手元の材料に合わせていろいろアレンジしている。また、調味料も計量が面倒なので丸めた。
アレンジは、論理的思考というよりもほとんど第六感に頼っている。要するに手癖で適当にやっているのだ。しかしそれでも、フィードバックと改善が起こるから面白い。勉強やスポーツとは違う世界がそこには広がっている。
材料(3人分)
- 豚こま切れ肉:いつもより多めの300gくらい。
- 下味
- 酒:大匙1
- 塩:適量
- 下味
- 長茄子:4~5本
- ピーマン:5~7個
- ブナシメジ:1パック(100g)
- 小麦粉:大匙1
- 長葱の青い部分:1本(あるいは葱油)
- 合わせ調味料
- 醤油:大匙2
- 砂糖:大匙1
- 酒:大匙1
- すりおろしにんにく:1片分
- すりおろししょうが:1片分
- すりおろし玉ねぎ:半玉分(多すぎた。1/4玉分でよい)
- 胡椒:適量
作り方
豚肉に下味をつけ、小麦粉をふる。長茄子は細い幅で斜め切り、ピーマンは輪切りにする。切り方の意味は「韓国焼肉っぽい」以外にないが、アレンジする場合は火の通し方から逆算しよう。
中華鍋を熱してよく焼き、油を入れてなじませ、一度火を止める。長葱の青い部分を輪切りにし、油の中で弱火で熱す。色が変わったら火を止めて葱を取り出し、肉と一緒にしておく。(この工程は葱油で代替できる。)
茄子を入れ、油と絡めてから火をつけ強火で炒める。こうすることで、油が跳ねにくくなる。
ごま油を追加して強火にし、肉を入れる。しばらくは肉を動かさずに焼く。ここで動かしてしまうと、小麦粉だけが鍋にくっついて焦げ付いてしまう。肉の色が変わり始めたら、中火で肉をほぐしながら炒める。
合わせ調味料を肉の上から投入し、肉と絡めてから、全体を炒め合わせる。
ピーマン、ブナシメジを入れ、蓋をして弱火でしばらく蒸す。
ピーマン、ブナシメジが少ししんなりしたら、強火で全体を炒め合わせる。
最後にお好みで胡椒をふり、完成。
感想
おいしかった。が、玉ねぎが多すぎたせいかタレのパンチが弱く、望み通りの味にはならなかった。玉ねぎの甘みは主張が強く、考慮なしに端役として採用してはいけないらしい。あるいは、季節や品種も関係があるかもしれない。
こうした料理の知識は、座学で頭に叩き入れられるものではないように思う。人間の味覚と物質の関係は複雑で、個々の材料だけを見ていては計算的に理解できるものは何もない。また、料理の宇宙は広大すぎて、全体を体系的に把握するのは無理がある。
だから、経験に基づいて、さまざまな比喩や呪術的思考を駆使していくしかない。しばしば非科学的に見える料理の理論体系は、近代の計算的なテクノロジーとは異なった、複雑なものと渡り合うための宇宙技芸*1なのである。
*1:"cosmotechnics"Yuk Hui