令和5年4月4日の献立「豚肉と茄子、ピーマンのいつもの炒め物」
茄子とピーマンがあるのでいつものをやる。頭が働かなくて味付けを考えられなくても、途中までは同じ工程で行けるので、とりあえず手を付ける。
一般的に、料理は完成から逆算して作らないと大失敗になりがちだ。食べる瞬間が最高の状態になるように、食材同士の相性、火を通すタイミング、味付けの組み合わせなどなどを、作り始める前にあらかじめ考えなければならない。
そんなだから、フルスクラッチで料理を作ろうとするととてつもない頭脳労働になる。頭脳労働を厭えば、レシピに従って機械のように料理するよう努力するほかない。しかしそれでは、料理は楽しくもなんともなくなってしまう。
そこで、デカルト流の"Divide and Conquer"「分割して統治せよ」である。料理をまとまったセクションごとに分けて考えるのだ。「炒め物のベース」や「甘辛のタレ」や「ホワイトソース」といった料理の部分的なレシピを覚えておき、それらの組み合わせを考えれば、いちいちゼロから料理を考えることなく、その時々の料理を作れる。
実際、この有用性は数理的に説明がつく。100のパーツの組み合わせの場合の数は100!≒10の158乗(1のあとに0が158個続く数字。とても書き切れない。)だが、それを10のパーツでできた部分が10個集まったものとして考えると、組み合わせの数は10!×10!≒10の13乗となり、はるかに少なくて済む。
もちろんこうした分割思考は、料理の深淵なる領域を不可知にしてしまう。しかし、日常の生活のレシピを考えるうえではそうした領域は必要ではない。藤井聡太のように考えられなくても、いくつかの定跡と手筋を覚えればアマチュア将棋は楽しめるのだ。
豚肉と茄子、ピーマンのいつもの炒め物
さて、いつもの炒め物である。
材料(3人分)
- 豚こま切れ肉:300g
- 下味
- 酒:大匙1
- みりん:大匙1
- 醤油:大匙1
- 下味
- 長茄子:3~4本
- ピーマン:4~5個
- ブナシメジ:1パック(100g)
- 長葱の青い部分:1本
- しょうが:1片
- にんにく:1片
- 酒:大匙1
- 醤油:大匙1
- 中華だしの素:少々
- 酢:小匙1/3
- 片栗粉:大匙1
作り方
豚肉に下味をつける。長茄子は、大きさが均等になるように、横に長めに切り、縦半分にする。ピーマンは細切りにする。
中華鍋をセットアップし、長葱、しょうが、にんにくを細切りにして油の中で弱火で熱する。色が変わったら焦げる前に取りだし、肉と一緒にしておく。
長茄子を、皮目を上にして、強火で揚げ焼きにする。茄子の実の表面が黄色になってきたら、醤油を鍋肌から回しいれる。
長茄子を鍋の端によけ、肉を炒める。肉に火が通ったら、長茄子と炒め合わせる。
ピーマン、ブナシメジ、酒を入れ、弱火で蓋をして蒸し焼きにする。
ブナシメジがある程度しんなりしたら、中華だしの素と酢で味を調える。
水溶き片栗粉でとろみをつけて完成。
感想
今日はなぜか醤油が強く、しょっぱい。相対的に具材の量が少ないからなのか。食べられなくはないし、一般的には美味しいレベルだと思うが、薄味に慣れているとどうしても気になってしまう。