生きる献立

日々の料理の記録。姉妹ブログ→https://ikiruiiwake.hatenablog.com/

令和5年3月22日の献立「茄子と豚肉の甘酢あんかけ風炒め」

 暖かくなってきて、頭に熱がこもるようになっている。五行の思想から、こういうときは酸味をとるのがよいと学んだので、甘酢炒めにする。

 使うのは、冷蔵庫ですでにヘタが溶けている千両なすと、日切れの豚肉、使い探しの玉ねぎ。具材の選択肢はない。色合い的にも人参を入れたほうが良かったが、火の通りが悪く手間が増えるのでやめた。日常の生活の料理は、無理しないのが肝要である。

茄子と豚肉の甘酢あんかけ風炒め

 日々似たような具材で炒め物をしているが、ものによってそれぞれ様々な工夫があって、その組み合わせは無限に近い。そして日常のキッチンでは、その取捨選択はほとんどその場の直感に委ねられている。平日の夕飯のおかずのために、いちいちレシピ本を開いてはいられないのだ。

 料理に後戻りは許されず、切ってしまった野菜は元には戻らないし、入れてしまった調味料を取り消しすることはできない。一回勝負を繰り返しながら、勘を磨いていく。ノウハウだけがあり、体系的な知識はない。そう考えると料理は恐ろしい世界である。しかしもっと驚異的なことは、ほんの200年そこら前まで、社会のあらゆる技術がそうした技能によって維持されていた事実のほうだろう。科学的体系的思考というものの歴史は、経験知の歴史に比べればとてつもなく浅いのである。


f:id:ikiruiiwake:20230322205339j:image

材料(3人分)
  • 豚小間切れ肉:270g
    • 下味
      • 酒:大匙1
      • みりん:大匙1
      • 醤油:大匙1
  • 千両なす:5~7本
  • 玉ねぎ:1/2玉
  • ブナシメジ:1パック(100g)
  • 酒:大匙1
  • 合わせ調味料
    • 醤油:大匙2
    • みりん:大匙1
    • 砂糖:大匙2
    • 酢:大匙2
  • 片栗粉:大匙大盛1
作り方

 豚肉に下味をつけ、玉ねぎを半月切りにする。

 茄子は十字に1/4のサイズに切り、塩水につけてアクを抜く。私は今回、うっかりこれを怠ったため茄子に渋みが残ってしまった。

 中華鍋をセットアップし、油をしいて中~強火で玉ねぎを炒める。だいたい火が通ったら、一度取り出して肉と一緒にしておく。

 多めの油で茄子を揚げ焼きにする。一度火を止めて、茄子を入れてから温度を上げると油が跳ねにくい。茄子の色が変わったら、形が崩れないうちに次へ進む。

 茄子を脇へよけて肉と玉ねぎを鍋に入れ、炒める。肉に火が通ったら全体を炒め合わせる。

 ブナシメジと酒を入れ、蓋をして弱火で蒸し焼きにする。

 ブナシメジが蒸されたら、鍋の真ん中を空け、野菜から出た水分に合わせ調味料を入れ、味を見ながら調整する。醤油:砂糖:酢の割合が1:1:1が目安。

 一度火を止めて水溶き片栗粉を入れて混ぜ、沸騰するまで火を入れてしっかりとろみをつける。とろみがしっかりついてから具材と混ぜ合わせる。

 皿に盛り付けて完成。

感想

 前述したように茄子のアク抜きを怠ったため渋みが感じられる以外には、気になるところはなく美味しい。実は、酢とみりんを取り違えたために後から醤油と砂糖を足してつじつまを合わせたのだが、リカバーできている。

 茄子の切り方は、作っているときは縦に1/4の細長の形にしたほうがいいかもしれないと思ったが、縦半分横半分でも茄子の身のジューシーな感じが味わえるので悪くない。ただしその場合、茄子の質に左右される。茄子が痛んでいたり、味が良くない場合は油を吸わせてごまかしたほうが良いだろう。

 他にはご飯とキムチヨーグルト納豆を食べた。主食は気まぐれで変えられる準備がないし、副菜を増やせば手間も増える。なにより、ガスコンロの口数が足りない。フリーズドライなんかもあるが、それは基本的にご飯を作る気力も起きないとき用である。